映画に感謝を捧ぐ! 「ザ・ヤクザ」

映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はシドニー・ポラック監督の「ザ・ヤクザ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 東京の「ヤクザ」に誘拐された友人の娘を救うために

 来日した元軍人の運命を描いた本作は

 国境の壁を越えた「マニア魂」が炸裂する極道映画であります。

 日本人である私を凌ぐほどの「日本映画愛」と

 アメリカ映画的娯楽精神が一体となった

 演出・ストーリー・音楽・キャスティングが

 勢い任せに突き進む光景は

 私に「趣味と実益を兼ね備えた」映画作りに挑む人々の

 情熱・技術・観察力に触れる機会をもたらしました。

 (西部劇と和製極道映画の共通項を象徴するかのような

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「趣味人型極道映画」の雄と呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。

 S・ポラック監督十八番の「恋愛+α」

 脚本家P・シュレイダー氏の心に宿る「殴り込み」への愛

 「ヤクザ映画」に対する研究精神によって

 後年のQ・タランティーノ監督作に影響を与えた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。

 

(11月18日追伸) 本作と「ブラック・レイン」で

 日本男性の魂を熱演した

 「日本製極道映画」の歴史に輝く名優

  高倉健氏に謹んで哀悼の意を表します。