映画に感謝を捧ぐ! 「銃撃」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はモンテ・ヘルマン監督の「銃撃」に

 感謝を捧げようと思います。

 

  「キングスリー」を目指して旅する男女4人の運命を描いた本作は

 アメリカ西部劇史上まれに見るほどの「難解さ」を感じさせる作品であります。

 王道西部劇の一派に属するストーリー&キャラクターを

 鑑賞者に「考えること」を強要するかのような

 映像&作劇スタイルで描くことによって生じる

 「陰性の映画的化学反応」は

 私に「主人公の苛立ちを共有する」感覚と

 西部劇の時代における「旅」の過酷さに向き合う機会をもたらしました。

 (「乾いた悲劇性」を感じさせる幕切れが

 人生の不確実性と無情を体現している点も見逃せません。)

 まさに「陰性文学系西部劇」の歴史に輝く怪物的作品であると言えるでしょう。

 M・ヘルマン監督&W・オーツの名コンビ特有の「男臭&無愛想さ」が

 他の西部劇とは異なる苦味と現実感を放つ本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。