映画に感謝を捧ぐ! 「ホスピタル・アンダー・シージ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はミヒャエル・スタイナー監督の「ホスピタル・アンダー・シージ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 テロリストに占拠された病院内で患者を守るために奮闘する女性医師と

 彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 便乗商品的でありながらもひねりの利いた「テロ対策映画」であります。

 「ダイ・ハード系アクション映画」の王道要素を総動員しながら

 アクション的ヒーロー&見せ場よりも

 「病院」という空間の持ち味とチームプレイの醍醐味を重視するという

 大胆不敵な挑戦は

 私に「娯楽映画にありがちな要素も加工次第で

 苦味の利いた作品となりうる」事と

 「活劇的ヒーロー」を作らないことによって発生する現実感を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (ハッタリ感あふれるDVD表面・清々しいまでに「沈黙の戦艦」に便乗した邦題

 娯楽的盛り上げ&爽快感に背を向けた幕切れという組み合わせが

 奇妙な味わいを放っている点も見逃せません。)

 まさに「組織重視系サスペンス・アクション」の静かなる強豪作であるといえるでしょう。

 「ダイ・ハード」・「ザ・ロック」等を模したような作りであるにもかかわらず

 娯楽系アクション映画に対する複雑な思いを感じさせる本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。