映画に感謝を捧ぐ! 「リミット(2010年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はロドリコ・コルテス監督の「[リミット] (2010年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 棺に閉じこめられ、生き埋めにされた男の

 運命を描いた本作は

 圧迫感とある種の感動にあふれた「巻き込まれサスペンス」であります。

 「娯楽的アクション&ユーモア」を極限まで抑制され

 他力本願的にならざるを得なくなった主人公の目線だけで

 物語を進行させるという実験的な試みは

 私に「圧倒的不利な状況下に屈することなく

 ワン・アイデアを貫こうとする」勇気に触れると同時に

 映像的&音楽的盛り上げのない世界によって

 精神力を鍛えられる機会をもたらしました。

 (「ハリウッド流ハッピー・エンド」を残酷極まる形で皮肉った

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「空間限定&ワン・アイデア映画」の究極形態と

 呼ぶべき作品であると言えるでしょう。

 壮絶なる情報管理&一人芝居によって

 主人公と鑑賞者の立場を一体化させてしまった本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。