映画に感謝を捧ぐ! 「ゾンビ・アルカトラズ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はニック・リオン監督の「ゾンビ・アルカトラズ」に
感謝を捧げようと思います。
アルカトラズ島とその周辺で繰り広げられる
ゾンビと人間の闘いを描いた本作は
既視感の中にメッセージを秘めたゾンビ映画であります。
アサイラム特有の「過去作の特性を継ぎ接ぎする手法」と
刑務所とゾンビを合体させるという発想が一体となることによって生じる
映画的化学反応は
私に「自由を制限することによって安全が得られる」という危険な真実と
ゾンビ映画に秘められた「作劇的可能性」の大きさを
目の当たりにする機会をもたらしました。
(謎の答えを曖昧化し、ハッピー・エンドにも悲劇にも与さない幕切れが
人生の奥深さを写し出すと同時に
アメリカ映画流ハッピー・エンドからは得られない「想像力が刺激される感覚」を
与えてくれる点も見逃せません。)
まさに「社会&映画論入りゾンビ映画」の称号にふさわしい
作品であると言えるでしょう。
安物感・悪趣味感・便乗商品風味溢れる外見の中に「高尚さ」を秘めた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。