映画に感謝を捧ぐ! 「戦争のはらわた」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はサム・ペキンパー監督の「戦争のはらわた」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 1943年のロシアで複雑怪奇な戦いを繰り広げる

 ドイツ軍小隊の運命を描いた本作は

 娯楽性と反娯楽性がせめぎ合う、異色の戦争映画であります。

 スローモーション・爆発・各種武器・地形効果を駆使した

 娯楽的アクションと

 現場と指揮官の距離・階級格差・恐怖より生じる「称号への執着」

 野性的本能によって「混沌」と化した世界を融合させるという試みは

 私に、反戦的台詞に依存することなく「戦争の狂気」を示す

 戦争映画の一形態と

 「孤立無援の状態」に追い込まれながらも生への渇望を失わない

 男たちの輝きに触れる機会をもたらしました。

 (荒々しきエロティシズム・男臭溢れる俳優陣

 仇撃ち映画とは一味違う残酷さと

 ブラック・ユーモアに溢れた「復讐」を描いた幕切れ

 戦争の残酷さをクールに写し出すエンドロールが

 作品のメッセージ性を高めている点も見逃せません。)

 まさに、「仁義なき戦い」流戦争映画と呼びたくなる一作であると言えるでしょう。

 「男」の光と闇を体現した主演男優J・コバーン&M・シェルの戦いぶり

 アメリカ映画でありながら「ロシア戦線のドイツ軍」に着目する目線

 陰鬱な物語の中においても「娯楽性」を保ち続けるバランス感覚が冴え渡る本作と 

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。