映画に感謝を捧ぐ! 「アースレイジ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はニック・リオン監督の「アースレイジ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 北海で発生する怪現象の謎に迫る

 沿岸警備隊員の運命を描いた本作は

 奇襲的作風に彩られた災害映画であります。

 ホラー的な幕開け→SF風味の陰謀劇→災害映画という

 流れに沿って進行するストーリー&演出と

 複数ジャンルの王道を兼ね備えた

 キャラクターが一体となる光景は

 私に「娯楽の王道を詰め込む」事による物語の緩慢化と

 安全とビジネスとの均整を保つ事の難しさがもたらす恐怖を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (悪役の最期をサスペンス的に処理することによって

 「災害映画的ご都合主義」の臭みを緩和している点も見逃せません。)

 まさに「ジャンル混在型災害映画」史上屈指の実験作であると言えるでしょう。

 複数の娯楽要素をつなぎ合わせつつ「物語のスピード感」を

 維持することの難しさを世に示した本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。