映画に感謝を捧ぐ! 「キートンの警官騒動」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はバスター・キートン&エディ・クライン監督の「キートンの警官騒動」に
感謝を捧げようと思います。
運命の悪戯によって警察に追われる身となった
男の運命を描いた本作は
先見性と独自のスケール感を兼ね備えたサイレント喜劇であります。
勘違いの連鎖を駆使したバラエティ番組的笑いから
物量攻勢&体技の限りを尽くした大逃亡劇へと変化していくストーリー&演出は
私に「テロ対策映画・ゾンビ映画・巻き込まれサスペンス」に通じる流れと
ドタバタ喜劇の根源に「権力に対する不信感」が宿っていることを
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「夢敗れた人間」の自己破壊をコミカルに描いた幕切れが
「人生は悲劇であり喜劇でもある」事を写し出している点も見逃せません。)
まさに「サイレント喜劇流娯楽論」と呼びたくなる一作であると言えるでしょう。
主演男優B・キートンのクールな物腰より繰り出される「天然ボケ殺法」と
暴力装置と化した「良識」によって葬られていく人々への思いが
融合することによって生を受けた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。