映画に感謝を捧ぐ! 「フライド・グリーン・トマト」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジョン・アヴネット監督の「フライド・グリーン・トマト」に  感謝を捧げようと思います。  ファニー・フラッグの小説「Fried Green Tomatoes at the  Whistle Stop Cafe」をもとにして作られた本作は  「ミシシッピー・バーニング」・「ドライビング・ミス・デイジー」の流れを汲みつつ  独自の気配&メッセージ性を放つ女性映画であります。  各種娯楽要素と社会派要素のバランス維持  技巧的映像表現&娯楽盛り上げを抑制  会話を重視しながらも「想像する余地」を残そうとする配慮が  一体となる光景は  私に「アメリカ南部における女性事情」の一端と  人生のスリル&サスペンス性を穏やかに表現する技法の一形態  特定ジャンルに固執しない監督の効能を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (ハッピー・エンドと悲劇が共存する幕切れが  感動誘発臭を緩和し、純度の高い感動をもたらしている点も  見逃せません。)  まさに「ジャンル融合型女性映画」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。  女優陣の放つ生活感・風景美・穏健な映像&音楽が  悲劇の連鎖の中で「情」を輝かせる姿に心打たれる本作と   生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。