映画に感謝を捧ぐ! 「メンフィス・ベル」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はマイケル・ケイトン・ジョーンズ監督の  「メンフィス・ベル」に感謝を捧げようと思います。
メンフィス・ベル [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ
2010-04-21

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 爆撃機メンフィス・ベル」の実話を  もとにして作られた本作は  緩やかでありながらも苦味の利いた実話系戦争映画であります。  青春映画的キャラクター造形・クールな戦争描写  ドイツ軍に対する「悪役的描写」を抑制し  主人公一行の目線に徹する手法によって  「連合軍礼賛映画化」を抑制しつつ  第2次世界大戦の一角で戦う男たちの運命を描くという挑戦は  私に、英雄伝と反戦・娯楽とメッセージ性の間に立つ映画に  接する機会をもたらしました。  (アメリカ映画的ハッピー・エンドでありながらも  「嫌な後味」を感じさせる幕切れが  戦争映画における「公平さ確保」の困難さを写し出している点も見逃せません。)  まさに、アメリカ流娯楽風味とヨーロッパ的感覚が混ざり合った  「青春系戦争映画」であると言えるでしょう。  派手なアクション&説明台詞に依存しない堅実さと  キャラクターの個性を極限まで薄める大胆さによって  戦争における「個人」の小ささと武勇伝の偽善性を写し出す本作と    生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。