映画に感謝を捧ぐ! 「Q-ZONE:隔離地区」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアレックス・ガルシア・ロペス監督の
「Q-ZONE:隔離地区」に感謝を捧げようと思います。
政府によって隔離された区域の謎に迫る
人々の運命を描いた本作は
寒々としたサスペンスに包まれた異色のモンスター映画であります。
近未来SFとダーク・ファンタジーを融合させたかのような陰鬱な映像と
謎をばらまきながら淡々と進行するストーリーが一体となる光景は
私に「世界荒廃の過程」の一形態と
娯楽的盛り上げと謎解きを両立させることの難しさを
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「娯楽的大団円」に静かに抗う幕切れが
民間人が権力に立ち向かう事と
サスペンスにおける「真相」作りの難しさを
象徴している点も見逃せません。)
まさに「陰鬱系モンスターSF」史上屈指の怪作であると言えるでしょう。
陰性の映像美・見世物&日常劇感覚・劇画的キャラクター造形
政府陰謀系の方程式に即した物語が奇妙なバランスで共存する本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。