映画に感謝を捧ぐ! 「ボトム・ダウン」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はケン・ホーン監督の「ボトム・ダウン」に
感謝を捧げようと思います。
1989年8月20日のテムズ川で発生した
海難事故をもとにして作られた本作は
クールな恐怖に包まれた実話系災害映画であります。
災害映画的ヒーロー&スペクタクルを抑制しつつ
膨大なる登場人物を動かし
イギリス災害史の「闇」に踏み込んでいく人々の勇姿は
私に「立場によって変化する災害対策」
「司法取引の効能&残酷さ」・「情報の大切さ&恐ろしさ」
「群像劇と娯楽的災害描写の平和的共存の一形態」を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(娯楽映画的高揚感に背を向けて
ホラー映画とは異なる怪奇恐怖&静かなる虚しさの中に
ある種の「希望」を感じさせる幕切れへと着地している点も
見逃せません。)
まさに「社会派災害映画」界の静かなる強豪作であると言えるでしょう。
娯楽的サービス&見世物的な特殊効果に依存せず
群像劇+記録映像的な表現法で
歴史の闇に向き合った災害映画の一つである本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。