映画に感謝を捧ぐ! 「地獄のガイドブック」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はラルフ・トーマス監督の「地獄のガイドブック」に
感謝を捧げようと思います。
ライオネル・デヴィッドスンの小説「モルダウの黒い流れ」を
もとにして作られた本作は
軽妙にして風刺的なスパイ映画であります。
巻き込まれサスペンス、観光旅行映画、恋愛映画
喜劇の手法を融合させたストーリー&演出が
東西冷戦下の国際情勢をユーモラスにからかう光景は
私に、娯楽的サービス精神を持った風刺劇の醍醐味と
想定外の状況にあっても冷静さを保ち
逆境にあってもユーモアを失わない人間の素晴らしさを
目の当たりにする機会をもたらしました。
(能天気なハッピー・エンドと外交への皮肉が共存する
奇妙な幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「政治風刺系スパイ活劇」界の
緩やかなる強豪作であると言えるでしょう。
スター映画的華やかさ、活劇的スリル、イギリス的ブラック・ユーモアが
上品且つ穏やかに共存する本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。