映画に感謝を捧ぐ! 「荒野の復讐」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はフェルディナンド・バルディ監督の「荒野の復讐」に
感謝を捧げようと思います。
妻を奪った2人組を追う男「ハート」の
運命を描いた本作は
凶暴性、知略、映像テクノロジー
哀愁が交錯するイタリア西部劇であります。
「3D」をアピールするための演出を
正当化するための「大義名分」に徹したストーリーと
イタリア西部劇特有のサディズム&エロティシズムを
保とうとするスタッフ陣の実験精神&技術力は
私に、「イタリア西部劇の男たち」が1980年代を生きることの難しさと
説明台詞に依存しない映画作りの醍醐味&難しさを
目の当たりにする機会をもたらしました。
(論理性よりも映像的インパクトを追求する姿勢を
貫く姿が感慨深い「決着の付け方」と
本作における「3D」の大切さを前面に出しエンドロールが
イタリア映画界の持つ貪欲さと
1980年代イタリア西部劇の内幕を体現している点も見逃せません。)
まさに「映像ショー系イタリア西部劇」史上屈指の実験作であると言えるでしょう。
3D映像の幕開け、軽量映画的商業戦術
西部劇ヒーローの宿命、イタリア映画的サービス精神
映像重視系映画の魅力&弱点を象徴する本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。