映画に感謝を捧ぐ! 「アクト・オブ・ウォー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はヤスミン・ディスダル監督の「アクト・オブ・ウォー」に  感謝を捧げようと思います。  亡き妻との約束を果たすため  ドイツ軍に挑む男「ソンソン」の運命を描いた本作は  軽さと苦味が交錯する戦争映画であります。  家族のために理不尽に耐え続ける男を通じて  戦争の残酷さを描く物語から  勧善懲悪的アクションへと変異していくストーリー&演出と  スター的存在感を抑制した渋い俳優&女優陣が一体となる光景は  私に「演技派からアクション派へ転換する俳優」を  戦争映画的に表現する妙技と  娯楽的に「歴史」を学ぶ手法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (映画界に君臨する「実話系商法」の一翼を担う作品であるという点と  万事解決系ハッピー・エンドでありながらも  「ヒーローの孤独」を感じさせる奇妙な幕切れとなっている点も  見逃せません。)  まさに「虚実融合系武勇伝」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  娯楽的サービス精神、丹念な資料集め、庶民目線を融合させ  実話系とフィクションの間に立つ戦争映画の一つである本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。