映画に感謝を捧ぐ! 「フランドル」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はブリュノ・デュモン監督の「フランドル」に
感謝を捧げようと思います。
フランドル地方の小さな村で暮らす若者たちの運命を描いた本作は
静かなる狂気に包まれた戦争映画であります。
戦場での日々と村での日々を交互に描き
状況設明を極限まで抑制しつつ
淡々と進行するストーリー&演出は
私に「戦争がもたらすモラル崩壊」・「奔放なる性行為の代償」
「男女関係の複雑怪奇さ」・「目先の状況に翻弄される人間の悲劇」を
不気味なまでのクールさで表現される姿を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「寛容さと無意識の打算が絡み合うハッピー・エンド」と
呼びたくなるような幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに、陰鬱なる野性に満ちた「日常系戦争映画」であると言えるでしょう。
1978年の映画「ディア・ハンター」の流れを汲みつつ
ヨーロッパ映画的冷徹さで「戦時下」を見つめる本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。