映画に感謝を捧ぐ! 「ワイズマンとのピクニック」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はヤン・シュヴァンクマイエル監督の
「ワイズマンとのピクニック」に感謝を捧げようと思います。
森の一角で起きた出来事を描いた本作は
独特のアイデア性と恐怖を感じさせる
アニメーション映画であります。
「物」たちが織りなす人間味のある営み
存在力とある種の哀愁を感じさせる風景
チェスに潜む「冷酷さ」と戦争の狂気を
体現するかのようなチェス・ゲームが
一体となる光景は
私に台詞や外見的魅力に依存せず
「動き」によって個性を放つキャラクター造形と
物語性を抑制しつつ鑑賞者に「メッセージ」を送る
作劇法の魅力を目の当たりにする機会をもたらしました。
(和やかな休日風景の中に「犯罪映画要素」が乱入してくる幕切れが
冷徹なる狂気&日常に潜む悪の
究極形態を生み出している点も見逃せません。)
まさに「無機物系日常劇」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
奇想天外な発想と物に対する観察眼が一体化する事によって
生成された食事、演奏会、サッカー、犯罪を
堪能させてくれた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。