映画に感謝を捧ぐ! 「美の祭典」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はレニ・リーフェンシュタール監督の  「美の祭典」に感謝を捧げようと思います。  1938年の映画「民族の祭典」の流れを汲む本作は  前作の精神を継承しつつ、芸術的な方向へと向かっていく  「第2のベルリン・オリンピック記録映像」であります。  「民族の祭典」において発揮された技巧的映像表現の限りを尽くして  集団戦系スポーツ、馬術&水泳、乗り物レースを描写する事によって    「スポーツ」の持つ絵画&文学的魅力が鮮明化していく現象は  私に「芸術性&体力を兼ね備えたスポーツマン」  「状況設明台詞のコントロール」  「娯楽的サービスと記録性の平和的共存」の醍醐味を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (「ドイツ礼賛」的描写を駆使しつつ  他国を貶める表現を抑制することによって  宣伝映像臭を緩和する工夫がなされている点も見逃せません。)    まさに「美術館系スポーツ・ドキュメンタリー」の雄と  呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。    「オリンピック」の持つ史劇&活劇的壮大さと  平和的&芸術的且つスポーツマン・シップ溢れる「世界大戦」の記録が  残酷なるブラック・ユーモアとなってしまう歴史の無常さを  同時に感じさせる本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。  追伸 本作によって「続編」カテゴリーが      100作に到達いたしました。      皆さんに深い感謝を!!!。