映画に感謝を捧ぐ! 「怪談 お岩の亡霊」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は加藤泰監督の「怪談 お岩の亡霊」に
感謝を捧げようと思います。
江戸時代の実話をもとにして作られた怪談「四谷怪談」をもとにして
1961年に作られた本作は
陰鬱にして凶暴な怪談映画であります。
「四谷怪談」にイタリア西部劇的暴力&性描写を融合させることによって
生成されたストーリー&演出、キャラクター造形が
東映的スター主義と共に進行していく光景は
私に「悲劇性を抑制し、暴力性を高める方向に向かう」怪談と
「1960年代の時代劇映画事情」の一端を目の当たりにする機会をもたらしました。
(勧善懲悪時代劇の王道に即しつつ
怪奇ムードの生成&剣豪俳優への配慮を感じさせる決着の付け方と
なっている点も見逃せません。)
まさに「武闘派怪談映画」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
四谷怪談をアクション&ホラー的に加工することによって生を受けた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。