映画に感謝を捧ぐ! 「復活(1934年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はルーベン・マムーリアン監督の「復活(1934年版)」に
感謝を捧げようと思います。
レフ・ニコラエヴィチ・トルストイの同名小説をもとにして
1934年に作られた本作は
軽量な外見の中に先見性と娯楽的知略を宿す恋愛映画であります。
ルーツとなった小説に秘められた「社会主義的メッセージ&過激派宗教論」を抽象化し
少女漫画的ロマンス要素を強調することによる
ストーリー展開の効率化
当時の技術&史劇的アイデアによって
後年のミュージカル&MTVを先取りした音楽&映像技法
舞台劇的演出法&台詞回しが一体となる光景は
私に「ロシア文学のアメリカ映画的解釈」と
「政治的メッセージ&純文学の大衆娯楽化」の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(宗教映画と恋愛映画のハッピー・エンドを組み合わせたかのような
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「社会派入り文学系恋愛劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
L・N・トルストイ文学+アメリカ製娯楽映画技法+女性向け格差恋愛劇の王道という
異色の組み合わせによる科学反応を見せてくれた本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。