映画に感謝を捧ぐ! 「続日本暴行暗黒史 暴虐魔」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は若松孝二監督の「続日本暴行暗黒史 暴虐魔」に  感謝を捧げようと思います。  「小平義雄」による連続レイプ殺人をもとにして作られ  若松孝二監督による「日本暴行暗黒史シリーズ」の2作目となった本作は  穏やかにして陰鬱な「悪魔的文学性」に彩られた実話系異常心理劇であります。  小心者のレイプ殺人犯による「心の旅&負のサクセス・ストーリー」を  淡々と描いていくストーリーと  日常劇、サスペンス、サディズム系ポルノ風味漂う演出が一体となる光景は  私に「安物感溢れる映像表現」によってレイプ&殺人描写の残忍さ&生々しさが  鮮明化していく現象と  戦争映画&極道映画とは異なる形態の「殺人が日常化した世界」を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (レイプ殺人犯の心中&卑劣な小悪党コンビのみに  「ハッピー・エンド」が与えられるという  皮肉の効いた幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに日本版「日常系+陰性文学系犯罪異常心理劇」の一翼を担う  静かなる大怪作であると言えるでしょう。  美しくも胡散臭い大義名分、小市民ムード漂う俳優&女優陣  男性的欲望&見世物精神の暗部を増大させた作劇法&映像技によって  ある種の犯罪論&純文学の領域に達してしまった本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。