映画に感謝を捧ぐ! 「処刑遊戯~DEAD OR ALIVE~」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はダニー・アルブリー&デヴィッド・ビスファム監督の    「処刑遊戯~DEAD OR ALIVE~」に感謝を捧げようと思います。  娘をレイプした男たちへの復讐のために闘う男  「ダン」の運命を描いた本作は  「狼よさらば」系アクション映画と  和製暴力映画の香りを兼ね備えた邦題からは  想像もつかないほどの陰鬱さと難解さに彩られた復讐劇であります。  過去と現在、脳内世界と現実  主人公、殺し屋、警察の目線を状況に応じて使い分けながら  淡々と進行するストーリーと  娯楽的肉弾戦&銃撃戦を抑えつつ  活劇的高揚感を抑制したアクション・シーンが一体となる光景は    私に「復讐者の心理」・「暴力の残酷さ&虚しさ」  「極道稼業に関わることのリスク」・「父子関係の難しさ」を  アクション映画的に表現しつつ  単純な設定&状況を複雑に描写する技法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (文学的ムードとビジネスマン的クールさを兼ね備えた殺し屋と  復讐の代償として愛&生きる道標を失った主人公の旅立ちを  静かに描いた幕切れが    「アクション映画的ハッピー・エンド」とは一味違う  苦味と現実感をもたらしている点も見逃せません。)  まさに「陰鬱系&精神迷宮系復讐劇」の一翼を担う    軽量作であると言えるでしょう。    復讐劇の王道に即しつつ  暇つぶし規模の枠内で暴力性&幻惑性の  極限に到達することに挑んだ本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。