映画に感謝を捧ぐ! 「突然炎のごとく(1994年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は井筒和幸監督の「突然炎のごとく(1994年版)」に  感謝を捧げようと思います。
突然炎のごとく [DVD]
オンリー・ハーツ
2003-12-19

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 海沿いの町で暮らす男女2人と彼らを取り巻く人々の  運命を描いた本作は  陰鬱にしてクールな和製恋愛劇であります。  性欲と無軌道感にまみれた人々の日常を  淡々と描きつつ  複雑化していく男女関係を巧みにまとめ上げるストーリーと    日常劇とポルノが絡み合った演出が一体となる光景は  私に「穏やかにして無秩序な男女関係」と  人間社会を包む「縁」の複雑怪奇さを  群像劇+ポルノ的に描写する技法の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (穏やかなる死臭が漂う「決着」から  男の精神的弱さを体現するかのような幕切れと  なっている点も見逃せません。)    まさに「陰鬱系男女関係論」の一翼を担う  軽量級作品であると言えるでしょう。  複雑怪奇な人間模様とセックスに溺れ、静かに破滅していく男女の姿を  青春映画、愛憎劇、陰性文学の香りを  入り交じらせながら写し出していく本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。