映画に感謝を捧ぐ! 「静かなふたり」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はエリーズ・ジラール監督の「静かなふたり」に  感謝を捧げようと思います。  古書店主「ジョルジュ」と従業員「マヴィ」の運命を描いた本作は  クールにして過激な恋愛映画であります。  パリの一角にある古書店の平穏な日常&ロマンスが  不穏な出来事&世情と秘められた過去によって揺らいでいく姿を  娯楽的盛り上げに依存せず、クール且つ軽快に描いていくストーリー&演出と  庶民的ムードに溢れた俳優&女優陣、風景が一体となる光景は  私に「人生のスリル&サスペンス+文学性」と  男女関係の魅力&複雑さを映画的に表現する手法の    一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (悲劇的でありながらも「悲劇性の強調」に溺れず  静かに物語を閉じていく幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「日常系+社会訓系格差恋愛劇」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  フランス映画ならではの繊細さ&渋味を感じさせるロマンスと  社会に潜む危険要素が静かに絡み合う本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。