映画に感謝を捧ぐ! 「白い馬(1953年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアルベール・ラモリス監督の「白い馬(1953年版)」に  感謝を捧げようと思います。  「白毛」と呼ばれた白馬と少年「ファルコ」の  運命を描いた本作は  文学性と活劇性を兼ね備えたフランス製動物映画であります。  和やかでありながらも緊張感を宿す「少年と白馬の交流」  人間社会の暗部を体現する牧夫達  馬たちが繰り広げる「西部劇風アクション&サイレント風演技」  「語り部」を多用しつつも状況設明を抑制し  鑑賞者の想像力を保ち続けようとするバランス感覚  和やかでありながらも「自然の過酷さ」を感じさせる風景が一体となる光景は  私に、軽量級映画的効率主義と教訓劇的メッセージの「平和的共存」と  人間と動物が織りなす「肉体的コミュニケーション」の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (ハッピー・エンドと悲劇の香りを兼ね備えた  味わい深い幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「活劇+人情系異生物間交流劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  アクション、サスペンス、日常劇を融合させる事によって生を受け  暇つぶし規模のスピード感と童話的ムードを維持しながら進行する  ストーリー&演出を通じて  後年の動物映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。