映画に感謝を捧ぐ! 「氷の挑発」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はヴァレリー・ランズバーグ監督の「氷の挑発」に    感謝を捧げようと思います。  刑事「マックス・ギャレット」と写真家「ローラ・クロス」の  運命を描いた本作は  奇襲的発想に彩られた軽量級サスペンス映画であります。  ポルノ&悪女映画的ムード、愛憎劇要素、活劇的アクション  サディズム的小道具を駆使しつつ  肩すかしを食わせるストーリー&演出は  私に映画界を覆うハッタリ宣伝、その場しのぎ的映像  どんでん返し主義に対する皮肉と  「警察関係者&芸術家」が健全な人間関係を築く事の難しさを  娯楽的に表現する手法の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (1992年の映画「氷の微笑」の映画界における影響力を  体現するかのような邦題と  後日談狙い的思わせぶりに背を向けた  平和的な幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「穏健派ブラック・ユーモア系異常心理サスペンス」の称号にふさわしい  心和む珍作であると言えるでしょう。  怪しさ&危うさに溢れたキャラクター達の複雑怪奇な人間模様と  猟奇感漂う映像表現を深めつつ  穏やか+直球的な方向へと向かっていく姿が衝撃的な本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。