映画に感謝を捧ぐ! 「パニック・スカイ(2010年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はカーレ・アンドリュース監督の
「パニック・スカイ(2010年版)」に感謝を捧げようと思います。
小型機でコンサート会場を目指す男女5人の運命を描いた本作は
SF映画史上屈指の「貪欲なる軽量作」であります。
航空系災害映画とモンスターSFを豪快に組み合わせ
予算&人員の節約&物語の効率化を徹底し
残酷描写を巧妙に曖昧化することによって
生を受けたストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「娯楽映画の定番要素を抑えつつ、奇想天外さを追求する」手法と
「危機的状況がもたらす精神の混乱」をSF的に表現する技法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(超能力系SF&癒し系映画による奇襲攻撃の後
時間操作系SFへと着地するという離れ業に挑んだ
作品であるという点も見逃せません。)
まさに「軽量級SF要素連合」の旗を掲げながら突き進む
一作であると言えるでしょう。
堅実さと奇抜さを兼ね備えた作劇法&映像技によって
少人数&閉鎖空間におけるスリル&サスペンスの生成と
多彩なSF要素をバランス良く配合する方法を世に示した
教科書的作品となった本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。