映画に感謝を捧ぐ! 「襲われた駅馬車」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はエドワード・F・クライン監督の「襲われた駅馬車」に  感謝を捧げようと思います。  町を追放された令嬢「フラワー・ベル」と  彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は  大胆にして緩やかな西部劇至上屈指の珍作であります。  西部劇の王道に即した物語が  「マイペースな悪女」ぶりを発揮するヒロイン  コメディ風味満載の男性陣  スリル&サスペンスよりもユーモラスさに重きを置いた  作劇&演出法によって  ドタバタ喜劇へと変異していく光景は  私に、活劇と喜劇を結ぶ絆、スターの効能  「女性の精神的強靱さ&男性の繊細さ」を西部劇的に表現する手法の  一端を目の当たりにする機会をもたらしました。  (「娯楽的ハッタリをふんだんに発揮しつつ、嘘は書かない」  事を可能にした邦題と  「悪女の勝利」を掲げながらも和やかさを感じさせる幕切れも  見逃せません。)  まさに「悪女系西部喜劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  M・ウェスト&W・C・フィールズの洋風夫婦漫才  活劇性と滑稽さを兼ね備えたアクション・シーン  シリアスな状況を巧みにコメディ化することによって  「人々を翻弄する悪女」を笑って許してしまうキャラクターに仕立て上げる  技術力が冴え渡る本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。