映画に感謝を捧ぐ! 「新日本暴行暗黒史 復讐鬼」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は若松孝二監督の「新日本暴行暗黒史 復讐鬼」に  感謝を捧げようと思います。  若松孝二監督による「日本暴行暗黒史シリーズ」の  3作目となる本作は  1938年に発生した「津山三十人殺し」の流れを汲む日本映画の  幕開けを告げる静かなる怪作であります。  イタリア西部劇的暴力&エロ、復讐劇の持つ恐怖&爽快感  任侠映画的哀愁&剣劇  1980年代ホラーに通じる「セックスと殺戮の融合」  青春映画的繊細さと怪談的憎悪を兼ね備えた主人公  小市民的狂気に溢れた敵役達の姿が一体となる光景は  私に「西洋ホラーと日本映画的情緒の融合」がもたらす科学反応と  暴力欲と性欲を結ぶ絆+男の精神的弱さ&陰湿さを映画的に表現する技法の    一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (穏やかさの中に復讐の虚しさ&静かなる死臭を宿す幕切れが  アクション映画的ハッピー・エンドとは一線を画した苦味を  感じさせる点も見逃せません。)  まさに「和製リベンジ・ポルノ」の歴史に輝く  怪物的作品であると言えるでしょう。  閉鎖空間特有の凶悪性、社会派の香り、哀愁漂う音楽  軽量映画的素朴さによって不気味さをかき立てる風景  生々しくも童話的な暴力&性描写が炸裂する本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。