映画に感謝を捧ぐ!「Z Inc ゼット・インク」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジョー・リンチ監督の「Z Inc ゼット・インク」に  感謝を捧げようと思います。  ウィルスによって理性を失い、高層ビルに隔離された  人々の運命を描いた本作は  狂気と人情、1980年代と2010年代が  複雑怪奇に絡み合う感染系ホラーであります。  狂気に囚われた人々による殺人ゲームと  司法制度とビジネス界の暗部によって心を失った男と  巨大組織の策謀によって人生を狂わされた女が  闘いと愛によって「人間性」を取り戻していく過程を  豪快につなぎ合わせたストーリーと  「ダイ・ハードリーサル・ウェポン」系アクション映画の設定と  2010年代TVゲーム感覚を兼ね備えた舞台&暴力描写が一体となる光景は  私に「社会に潜むモンスター生成要素」と  「企業人精神とファイター精神のせめぎ合い」をホラー的に表現する  手法の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (「法律の盲点&アクション映画的ご都合主義」をふんだんに用いながらも  心和むハッピー・エンドとなっている点も見逃せません。)  まさに「社会風刺系ホラー」の歴史に輝く  凶悪なる感動作であると言えるでしょう。  感染系ホラー、風刺劇、癒し系ロマンス  空間限定型アクションの醍醐味を  軽量級ホラーの枠内に詰め込みながらも  軽快&陽気に進行する姿に  驚かされつつも心癒される本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。