映画に感謝を捧ぐ! 「愛情の瞬間」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジャン・ドラノワ監督の「愛情の瞬間」に  感謝を捧げようと思います。  町医者「ピエール・リシャール」その妻「マドレーヌ」  画家「ダニエル」の運命を描いた本作は  多彩な顔を持った愛憎劇であります。  男女3人の複雑な人間模様を  時系列操作を駆使しながら描いていくストーリー&演出と  フランス映画的渋味&繊細さに包まれた俳優&女優陣が一体となる光景は  私に「ロマンス、心理サスペンス、戦争映画、時間旅行系SF」が  入り交じった世界と  「戦争が人心に与える影響&男女を分け隔てる精神的壁」を  映画的に表現する技法の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (「ハッピー・エンドと悲劇の選択」を鑑賞者の解釈にゆだねるかのような  気配を放つ幕切れが  人生&男女関係の複雑怪奇さを写し出している点も見逃せません。)  まさに「フランス流ミステリー系愛憎劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  「愛」に対する多角的目線と  俗物性と文学性の均整を保とうとするバランス感覚に覆われた本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。