映画に感謝を捧ぐ! 「マッドボンバー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はバート・I・ゴードン監督の「マッドボンバー」に  感謝を捧げようと思います。  爆弾魔、レイプ殺人犯、刑事が織りなす  凶悪なる日常を描いた本作は  巨大系SF映画で名を成したB・I・ゴードン監督が  現実的恐怖に挑むことによって生を受けた犯罪映画であります。  哀しみが生んだ社会的狂気に彩られた爆弾魔  性的狂気に支配されたレイプ犯  正義漢より発する狂気に囚われていく刑事の運命を  多角的に写し出していくストーリーと  素朴な暴力性に溢れたアクション描写が一体となる光景は  私に「社会に潜む狂気の構図」と「娯楽映画的サービス」の共同戦線と  正義を追い求める事によって発生する危険要素の一端を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (勧善懲悪の爽快感よりも「ある種の解放感」を感じさせる  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「狂気博覧会」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  後年の米ドラマ「クリミナル・マインド」に通じる異常心理犯罪者目線  1970年代のアメリカを覆う「反勧善懲悪要素」  活劇的能天気さ&CGとは一線を画した  生々しい暴力描写が一堂に会した本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。