映画に感謝を捧ぐ! 「異常者」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はドナッテラ・マヨルカ監督の「異常者」に
感謝を捧げようと思います。
面接調査員「マーサ」と彼女を取り巻く人々の
運命を描いた本作は
女性映画+ポルノ映画史上屈指の
「時代性&混沌ぶり」を感じさせる作品であります。
恋愛劇、サスペンス、ポルノ、日常劇の特性が
細切れ的に進行していくストーリー&演出は
私に「愛情と狂気の秘めたる近似性」と
「インターネット時代」初期の空気を
ポルノ映画的に表現する手法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(壮絶なるホラー的見せ方&肩すかしぶりに圧倒される
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「遠距離系愛憎ポルノ」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
「淡々とした朝+昼&性衝動に彩られた夜」という
テリトリー分けによって平穏を保っていたヒロインの人生が
ネットでの交流によって境界線を破壊され
性欲&疑心の底なし沼へと落ちていく姿を
クール且つエロティックに描くことに挑んだ本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。