映画に感謝を捧ぐ! 「ニクソン ウォーターゲート事件」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は「ニクソン ウォーターゲート事件」に
感謝を捧げようと思います。
1972年6月17日に起きた「ウォーターゲート事件」に対する
リチャード・ニクソン大統領の弁明と
辞職会見の一部を記録した本作は
クールさの中にスリル&サスペンス+ユーモアを宿す記録映像であります。
「要所を巧みに抽象化する」・「話題を外交&経済問題へと転換する」
「政治家としての功績を少しずつアピールする」
「各所でジョークを挿入する&穏やかさを保つ」事によって
ウォーターゲート事件に対する関与を隠蔽し
国民&報道機関の追求を逃れようとするR・ニクソン大統領と
穏健さ&ユーモラスさを維持しつつ
大統領を追求していく報道機関を
客観的且つ無機質に写し出していく映像&語り口は
私に「暴力&怒号なき論戦」と
「悪魔的でありながらも愛嬌のある最高権力者」の醍醐味を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「辞職」に追い込まれながらも陰謀への関与を曖昧化し
状況&行動を巧みに美化し、アメリカへの愛情を訴える姿が
ある種の感動を禁じ得ない作品であるという点も
見逃せません。)
まさに「ウォーターゲート事件資料館」の一翼を担う
映像集であると言えるでしょう。
アメリカ政治史に多大な影響を与え
後年の映画に対する「種子」の一つとなった事件を
「大統領&報道機関による言論的決闘」という目線で見つめていく本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。