映画に感謝を捧ぐ! 「幸福の設計」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジャック・ベッケル監督の「幸福の設計」に  感謝を捧げようと思います。  偶然80万フランの当たりくじを手に入れた夫婦  「アントワーヌ&アントワネット」の運命を描いた本作は  人情味と躍動感が交錯する日常喜劇であります。  ホームドラマ、愛憎劇、ドタバタ喜劇  サスペンスが絡み合う事によって生を受け  軽快&賑やか且つ上品に進行するストーリー&演出と  庶民的ムード満載の風景&キャラクター造形が一体となる光景は  私に「周囲の男性」をことごとく魅了してしまう女性と  結婚した男の苦悩  人生の持つ「人情&ブラック・ユーモア性」  富と愛情に宿る「光と闇」を  映画的に表現する手法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (簡潔でありながらも文学の香りを感じさせる邦題と  どんでん返し、皮肉、癒しを力業で融合させたかのような  ハッピー・エンドとなっている点も見逃せません。)  まさに「夫婦喜劇型人生&愛情論」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  本人の思いとは異なる形で「愛憎劇の火種」を作ってしまう妻と  男性の繊細さを体現する夫が  偶発的な巨富を手に入れてしまったことによって生じる珍騒動を  スピード感、ユーモア、教訓性の均整を保ちながら描ききった本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。