映画に感謝を捧ぐ! 「デデという娼婦」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はイヴ・アレグレ監督の「デデという娼婦」に
感謝を捧げようと思います。
港町で暮らす娼婦「デデ」と彼女を取り巻く人々の
運命を描いた本作は
地形効果とバランス感覚に秀でた愛憎劇であります。
「港町」という舞台の持ち味を有効活用し
甘いロマンスと苦い極道風味をバランス良く配合したストーリー&演出と
華やかさと渋味が交錯する俳優&女優陣が一体となる光景は
私に、恋愛劇における「舞台&キャラクター造形」の重要性と
「女性の精神的強靱さ&男の傲慢さ+繊細さ」を映画的に表現する手法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(勧善懲悪の爽快感よりも「愛」を失うことによって生じる狂気が
印象深い幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「フランス流極道系愛憎劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
港町&男女関係の光と闇を
暴力的且つ上品に写し出す本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。