映画に感謝を捧ぐ! 「デイ・アフター・トゥモロー2017」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジョン・マッカーシー監督の「デイ・アフター・トゥモロー2017」に  感謝を捧げようと思います。  大寒波の嵐がもたらす脅威に立ち向かう  人々の運命を描いた本作は  小規模映画会社&災害系SFマニア魂に  彩られた異色の感動作であります。  2004年の映画「デイ・アフター・トゥモロー」を軽量化し  効率的且つ単純明快に進行するよう調整することによって  生を受けたストーリー&キャラクター造形と  素朴感満載のCG映像が一体となる光景は  私に「冬山遭難感覚で描写される地球の危機」の醍醐味と  R・エメリッヒ監督作がSF映画市場に与えた影響力の一端を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (便乗商品戦術の赴くままに進みつつ  作品の本質を的確に捉えた邦題  ニュース映像を駆使したハッタリの連続攻撃  「部分的幸福を強調するによって全体の悲劇性を隠蔽する」  戦術に基づいたハッピー・エンドも見逃せません。)  まさに「非喜劇系パロディSF」の一翼を担う  大いなる珍作であると言えるでしょう。  大作系SFを有効活用して小規模SFを創造するリサイクル精神   災害映画の法則に従って進行しつつ  効率的に物語を進行させることによって  「映画的ご都合主義」に対する突っ込みを封じる機動力  段階的にスケール感を抑制していく戦術性  予算超過&残酷過多になりすぎないよう配慮しつつ  ハッタリの利いた映像を繰り出すCG技術が一堂に会した本作と    生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。