映画に感謝を捧ぐ! 「ランジュ氏の犯罪」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジャン・ルノワール監督の「ランジュ氏の犯罪」に  感謝を捧げようと思います。  出版社社員から作家となった男「アデメ・ランジュ」と  彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は  人情味と極道味が交錯する作品であります。  無軌道+自分本位な経営者に翻弄された  生真面目な作家&仲間たちの悲劇を  ホームドラマ&コメディ風に描いたストーリーと  伝記+サスペンス的映像技が一体となることによって生じる科学反応は  私に「人生のブラック・ユーモア&サスペンス性」  「芸術とビジネスのせめぎ合い」・「出版界の舞台裏」を  映画的に表現する手法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (説明台詞に依存せず「映像」によって  最後の謎を解明する幕切れが  ハッピー・エンドと哀愁が混ざり合う感触を  もたらしている点も見逃せません。)  まさに「人情+極道系作家伝」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  コメディ的笑い、サスペンス的驚かせ、舞台裏映画の醍醐味  サクセス・ストーリーの爽快さが  驚異的なバランスで共存する本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。