映画に感謝を捧ぐ! 「スリーピング タイト 白肌の美女の異常な夜」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジャウマ・バラゲロ監督の  「スリーピング タイト 白肌の美女の異常な夜」に感謝を捧げようと思います。  マンションの管理人「セサル」と住人「クララ」の  運命を描いた本作は  淡々とした狂愛に彩られた異常心理劇であります。  惨めな日常の中で目覚めたサディスティックな愛に支配され  ストーカー行為に走る男と  彼に翻弄される女性の日常を  ホームドラマ、サスペンス、ホラー、愛憎劇の技法を  状況に応じて使い分けながら描いていくストーリー&演出は  私に「愛と残虐の秘めたる近似性」を映像的に表現する手法と  「人生」に宿るサスペンス要素の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (本編を凌駕するほどの「ポルノ風味」に満ちあふれた邦題と  悲劇とハッピー・エンドを「表裏一体の存在」として写し出す幕切れが  戦慄と癒し性の入り交じった感触をもたらしている点も見逃せません。)  まさに「日常系ラブ・サスペンス」の一翼を担う  怪作であると言えるでしょう。  1993年の映画「硝子の塔」を思わせるような空間の中で  日常劇、愛憎劇、異常心理劇が静かに交錯する本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。