映画に感謝を捧ぐ! 「侵入者を追って」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はガイ・ハミルトン監督の「侵入者を追って」に  感謝を捧げようと思います。  ロビン・モームの小説「The Line on Ginger」を  もとにして作られた本作は  様々な映画技法を駆使して「戦争」を写し出す異色作であります。  戦後と戦時を交錯させる作劇法と  サスペンスと戦争映画の特性を兼ね備えた演出&キャラクター造形が  一体となって「戦争が人心に与える影響」に迫る光景は  私に「SFとは異なる形態の時間移動」と  「戦争&人生の無情さ」を映画的に表現する手法の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (王道的ハッピー・エンドでありながらも  逃亡と交流の果てに上官との友情&信義を取り戻した男の姿に  心打たれる幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「道中系戦争論」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  イギリス軍礼賛と反戦メッセージ  娯楽的スリル&サスペンスと文学&教訓性  戦場に生きた男たちの勇姿&悲哀が絡み合う本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。