映画に感謝を捧ぐ! 「スキン・ゲーム」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアルフレッド・ヒッチコック監督の「スキン・ゲーム」に  感謝を捧げようと思います。  ジョン・ゴールズワージの同名戯曲をもとにして作られた本作は  生真面目にして奇策的な陰謀劇であります。  家族間抗争劇+恋愛悲劇の王道に即して進行しつつ  怪奇要素&文学性の奇襲攻撃をかけてくるストーリー&演出は  私に「正統派と実験的手法の共存」と  戦争映画とは異なる形態を取った「反戦メッセージ」の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (対立の果てに訪れた「悲劇」を絵画的に描写した  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「文学系抗争劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  悪の伝染性と富&名誉の危うさ+虚しさを    サスペンス・ロマンス・ホームドラマ要素を駆使して描きつつ  ホラー的描写を乱入させるという大胆な試みに驚かされる本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。