映画に感謝を捧ぐ! 「プロジェクト・グリズリー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はピーター・リンチ監督の「プロジェクト・グリズリー」に  感謝を捧げようと思います。  トロイ・J・ハートビス率いる「プロジェクト・グリズリー」の  一部を記録した本作は  笑いとロマンが絡み合うドキュメンタリー映画であります。  怪しげなプロジェクト内容&淡々とした映像&語り口の中に    西部劇、SF、日常劇を組み合わせたかのような  味わいが宿るという現象は  私に「自然と人間の交流」がもたらすリスクを  映画的に表現する手法と  勇敢さと胡散臭さの秘めたる近似性の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (自然の過酷さ&気まぐれに翻弄されながらも  望みを捨てず、更なる高みを目指す男の姿に  心打たれる幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「冒険系記録映像」の歴史に輝く  大いなる珍作であると言えるでしょう。  「グリズリー」に対する愛情と恐怖の入り交じった思いと  軽量映画的ハッタリ感&安物感によって  他のドキュメンタリー映画とは一味違う輝きを放つ本作と    生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。