映画に感謝を捧ぐ! 「スパイナル・タップ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はロブ・ライナー監督・出演の「スパイナル・タップ」に  感謝を捧げようと思います。  イギリスのロック・バンド「スパイナル・タップ」の  運命を描いた本作は    虚実が複雑且つユーモラスに絡み合う疑似記録映像であります。  ドキュメンタリー的映像技&語り口と  架空のロック・バンド&仲間たちの物語が  絶妙のバランスで配合されることによって生じる科学反応は  私に「物語上の存在に現実感を与える」  「1960年代文化と1980年代文化のせめぎ合いを  教材性と娯楽性の均整を保ちながら表現する」手法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (アイドル映画的魅力と舞台裏映画的魅力を兼ね備えた  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「音楽系疑似偉人伝」の雄と呼ぶにふさわしい  作品であると言えるでしょう。  フィクションとノン・フィクションの  境目に立つかのような表現法によって  「映画監督R・ライナー」の誕生を告げた本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。