映画に感謝を捧ぐ! 「15時17分 パリ行き」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はクリント・イーストウッド監督の  「15時17分 パリ行き」に感謝を捧げようと思います。  スペンサー・ストーン、アレク・スカラトス  アンソニー・サドラーの生涯をもとにして作られた本作は  実話系映画史上屈指の「静かなる大胆さ」に  彩られた作品であります。  青春映画から観光旅行映画へと進行し  テロ対策映画へと急展開するストーリー  サスペンス的時系列操作を駆使しながらも淡々とした映像  「当事者が主演男優を務める」という奇策的キャスティングが  一体となる光景は  私に「人生の神秘性」・「大作系アクション映画に対する皮肉」  「殺人に依存しないスリル&サスペンス生成法」の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (娯楽映画的ハッタリと記録映像的クールさが  複雑に絡み合う幕切れを通じて  人間社会が人間の想像を超えるスケール感を  宿す存在であることを示している点も見逃せません。)  まさに「軽量級英雄伝」の歴史に輝く  大いなる挑戦作であると言えるでしょう。  C・イーストウッド監督作史上最大級の  軽量さ&実験精神によって  クールさ、豪快さ、奇策性を兼ね備えた  実話系テロ対策映画となった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。