映画に感謝を捧ぐ! 「エンパイア・オブ・エイプス」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はロバート・ヤング監督の  「エンパイア・オブ・エイプス」に感謝を捧げようと思います。  アフリカ奥地に潜む謎の生物を追う男「ハミルトン」と  彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は  ハッタリ精神&リサイクル精神の赴くままに突き進む  モンスター映画であります。  冒険活劇から山系ホラーへと転じる物語に  動物学要素を加えることによって生を受けた  ストーリー&演出、キャラクター造形は  私に「1980年代映画文化と2000年代映画文化の融合」と  「娯楽映画的ハッタリと小規模映画業界的倹約の共同戦線」の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (終盤で「疑似実録映画」風映像表現へと転じる事によって  残酷描写を抽象化しつつ、悲劇性を高める  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「モンスター映画型1980年代文化論」の  一翼を担う珍作であると言えるでしょう。  「13日の金曜日」・「プレデター」の流れを汲む映像技&作劇法  「猿の惑星」の流れを汲むモンスター造形  映画的マッド・サイエンティストの王道に即した悪漢造形が  一堂に会した本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。