映画に感謝を捧ぐ! 「ぼくの瞳の光」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジュセッペ・ピッチョーニ監督の「ぼくの瞳の光」に  感謝を捧げようと思います。  送迎車の運転手「アントニオ」と  食料品店を営む女性「マリア」の運命を描いた本作は  穏やかでありながらも実験的な恋愛映画であります。  主人公が愛読する「SF小説」と  主人公&ヒロインの日常を絡み合わせるという発想  庶民的ムードと極道的ムードが入り交じった  ストーリー&キャラクター造形  生活感溢れる風景が一体となる光景は  私に「純文学風味と日常劇風味の共同戦線」と  恋愛劇&ホームドラマの王道に即して進行しつつ  作劇的実験を行う手法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (感動誘発的な描写&説明台詞に背を向け  「家族&人生の再生」を静かに写し出す  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「文学系+社会派風恋愛劇」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  日常劇+お伽噺的ストーリーと  SF的語り口を融合させることによって  イタリアの社会&映画文化の一端と  創作と現実を結ぶ絆を象徴する存在となった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。