映画に感謝を捧ぐ! 「廃墟の守備隊」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアンドレ・ド・トス監督の「廃墟の守備隊」に  感謝を捧げようと思います。  マックリン砦を目指す騎兵隊員6人の  運命を描いた本作は  「暇つぶし規模のアメリカ映画」ならではの精神&技術に  彩られた西部劇であります。  アメリカ流道中劇、戦争映画、西部劇の王道を  バランス良く配合したストーリー&アクション・シーンが  効率的且つ見せ場主義的に進行していく光景は  私に「アメリカ映画的歴史認識&サービス精神」  「王道を組み合わせることによって個性を生成する技法」  「策略とユーモアの秘めたる共通項」の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (アメリカ礼賛精神と西部劇的ご都合主義の赴くままに進みつつも    渋味を感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「アメリカ流娯楽映画&小規模映画的効率主義入門」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。   アメリカ西部劇特有の「白人=正義、先住民=悪の法則」に沿いながら  人種差別臭を緩和しようと奮闘するキャラクター造形  娯楽映画的見せ場を的確に押さえながら  スケール感を段階的に縮小していく作劇法  娯楽的スリル&サスペンスを重視しつつ   残酷な状況を巧みに抽象化する映像技が一堂に会した  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。