映画に感謝を捧ぐ! 「その女を殺せ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はリチャード・フライシャー監督の「その女を殺せ」に
感謝を捧げようと思います。
組織犯罪の証人になった女性と
彼女を護衛する刑事の運命を描いた本作は
サスペンス映画史上屈指の「収納術&躍動感」に
彩られた作品であります。
「列車内」という限定された空間と
目的地到達までの数時間に
アクション&頭脳戦、どんでん返し、人間模様
場を和ませるユーモアを取り込んだストーリー&演出が
軽やかさと渋味の均整を保ちながら進行する光景は
私に「適正速度で進行する&舞台の特性を生かした」映像技と
状況設明台詞&感動誘発要素に依存しないストーリー展開の醍醐味を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(万事解決のハッピー・エンドにせず、要所を曖昧化することによって
鑑賞者に「想像する余地」を与える幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「道中系サスペンス映画」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
安易なスケール感拡大&情緒に依存せず
人間関係&空間を絞り込む節約精神と
場所&キャラクターの個性を生かした
アクション・シーンを生成する技術力によって
後年の「ダイ・ハード&カナディアン・エクスプレス」等に
通じる道を切り開いた本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。