映画に感謝を捧ぐ! 「火の翼」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はジョージ・アーチェインバウド監督の

 「火の翼」に感謝を捧げようと思います。

戦争映画 パーフェクトコレクション 地獄の戦場 DVD10枚組 ACC-151
戦争映画 パーフェクトコレクション 地獄の戦場 DVD10枚組 ACC-151

 第1次大戦後に帰国した空軍兵士4人の運命を描いた本作は

 軽量でありながらも実験精神旺盛な作品であります。

 「戦争映画風味溢れる幕開けから

 映画業界の舞台裏を描く方向へと進む」

 「娯楽映画性を保ちつつ、映画作りに関わる人間の狂気に迫る」

 「人間関係を効率的に複雑化させる」という

 アイデアに基づいて作られたストーリー&演出は

 私にサスペンス映画とは一味違う「意外な展開」と

 戦争が人心に与える悪影響&芸術的+愛憎的狂気を

 映画的に表現する手法の一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (ハッピー・エンドと悲劇を共有する幕切れを通じて

 人生の戦場性を写し出している点も見逃せません。)

 まさに「ジャンル移動型映画」史上屈指の過激派と呼ぶにふさわしい

 作品であると言えるでしょう。

 第1次大戦後のアメリカ事情&映画史初期の空気を

 軽やか且つ過激に描くことによって

 後年の映画界に対する「道しるべ」の一つとなった本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。