映画に感謝を捧ぐ! 「未知空間の恐怖/光る眼」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はウルフ・リラ監督の「未知空間の恐怖/光る眼」に
感謝を捧げようと思います。
未知空間の恐怖 光る眼 & 続・光る眼 宇宙空間の恐怖 [DVD]
ジョン・ウィンダムの小説「呪われた村」を
もとにして1960年に作られた本作は
後年のモンスター映画を軽やかに導く
道しるべ的作品であります。
怪奇性、SF性、効率性、人情味が
バランス良く配合されたストーリー&演出、キャラクター造形と
庶民的ムードと渋味の利いた俳優&女優陣が一体となった
浮世離れした状況に現実的恐怖感を与えていく光景は
私に、モンスター映画における「モンスターの存在力」
「空間&人員的スケール感の抑制」・「説明台詞の有効活用」の重要性と
子供特有の「純真な狂気」をSF的に表現する手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(壮絶さ、滑稽さ、残酷さが絡み合う最終決戦と
安易なハッピー・エンドに逃避せず「鑑賞者に考えさせる」
要素を宿した幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「チャイルド・モンスター映画」の歴史を切り開いた
英雄的作品であると言えるでしょう。
暇つぶし規模のスケール感&スピード感の中で
「光る眼の子供たち」のクールな怪演
見世物的残酷さよりも「映像テクノロジー&アイデア性」で勝負する特殊効果
段階的にSF的恐怖感&悲劇性を高めていく作劇法が光り輝く本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。